2021年9月4日
時事通信社
ドローンなどを手掛けるベンチャー企業のA.L.I.テクノロジーズ(東京)は、地上から数メートルの高さで空中を走行する「ホバーバイク」について、電動モデルを2025年にも本格投入する。
国内で初となる公道での走行と量産化を目指す。自動車などで脱炭素化が急速に進むことを見据え、ガソリンエンジンを搭載せず電気だけで走行するタイプの普及を図る。
同社の片野大輔社長が4日までに、時事通信の取材に対し明らかにした。
開発中の1人乗りホバーバイク「XTURISMO(エックストゥーリスモ)」は、プロペラの力で地上から機体を浮かせ、高さを維持したまま移動できる。災害現場の救助などで活用が想定され、国土交通省を中心に公道走行に向けた法整備の議論が進んでいる。
電動モデルについて「構造として電化は難しくはない」(片野氏)と判断し、25~26年には量産化して販売することを計画。「現在の電池技術では数分から10分程度」(同)という航続可能時間を1時間程度まで延ばし、軽量化も図る。併せて国などに働き掛け、公道走行可能なナンバープレートを取得する考えだ。
一方、電動モデルの投入に先駆け、ガソリンエンジンを動力源とした限定モデルを年内に発表する予定だ。当面は私有地での使用に限定されるが、片野氏は「22年前半には納車できるように準備している」と語った。価格は数千万円程度を見込んでいる。