興福寺五重塔120年ぶり大修理…強風で落下の瓦、全面葺き替え

2020年2月20日

読売新聞オンライン

 奈良県などは20日、奈良市の世界遺産・興福寺の五重塔(国宝、高さ約50メートル)を約120年ぶりに大規模修理すると発表した。

 2020年度から約2年かけて調査した上で、瓦の全面葺ふき替えなどの修理を始める。

 五重塔は、興福寺を創建した有力貴族・藤原不比等の娘の光明皇后が730年に建てた。焼失や再建を重ね、現在の塔は1426年に建築。大規模修理は1901年以来で、現存する木造の塔では、京都市の東寺五重塔(高さ約55メートル)に次いで国内で2番目に高い。

 県によると、木材の傷み具合の調査や耐震診断を経て修理内容を決めるため、修理の工期、工費は未定。瓦の傷みが顕著で、近年も強風で落下することがあったという。

 興福寺の森谷英俊貫首かんすは「奈良時代からの祈りの精神が込められた塔を次の世代に引き継げるよう、無事に修理が行われることを願っている」と話した。

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