嵐の活動休止から一週間、「嵐ロス」に“悩む業界”と“大丈夫な業界” 抜けた穴を癒してくれるジャニーズは?

2021年1月9日

現代ビジネス

ネットでは「本当に活動休止しているのか」の声

昨年の大みそかで嵐が活動休止に入ってから、早くも一週間が過ぎた。今なお強烈な印象が残っているのは、最後の8日間で見せた生放送番組への出演ラッシュ。

24日の『VS嵐 最終回 4時間生放送スペシャル』(フジテレビ系)、25日の『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2020』(テレビ朝日系)、26日の『嵐にしやがれ 最終回4時間生放送スペシャル』(日本テレビ系)、30日の『第62回輝く!日本レコード大賞』(TBS系、嵐は事前収録で出演)、31日の『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK)に出演し、さらに生配信ライブ『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』まで一気に駆け抜けた。

出演にあたっては、番組の構成、演出、選曲などの打ち合わせが必要であり、当然ながらリハーサルも行われる。「生放送だから歌もダンスもコメントも失敗できない」「新型コロナウイルスに感染はもちろん発熱すらしてはいけない」などの大きなプレッシャーがあったことは想像に難くない。

年末の出演ラッシュが強烈だったため、業界内では「年明けの“嵐ロス”はファンでなくても大きいのではないか」と言われていたが、ここまではそんなムードはほとんどなく、むしろネット上には「本当に活動休止しているのか」などの声が挙がっている。

その理由には、正月3が日の番組で、嵐メンバーの姿が見られたこともあるだろう。実際、元日の『ザ!鉄腕!元日DASH!!』(日本テレビ系)に櫻井翔、3日の『二宮ん家』(フジテレビ系)に二宮和也、4日の『VS魂』(フジテレビ系)に相葉雅紀が出演していた。

また、この3人にはその他のレギュラー番組もあり、今後もこれまでと変わらずにその姿を見られることは大きい。

さらに、ジャニーズ事務所の先輩・後輩が嵐メンバーの話をすることが多いこともあって、熱心なファンを除けば「嵐ロス」を感じにくい状況と言えるだろう。

では、嵐が出演していた民放各局や雑誌などの現場に「嵐ロス」はないのか。各番組や各編集部に探りを入れると、さまざまな声が聞こえてきた。

意見が分かれるテレビ業界と雑誌業界

まず『VS嵐』は、実質的に同じコンセプトの『VS魂』がスタートしているだけに、「嵐ロスを感じている時間的・精神的な余裕はない」という。

スタッフにしてみれば、今は番組を1人で引き継ぐことになった相葉を盛り立てるとともに、新たにメンバーとなった風間俊介、Sexy Zone・佐藤勝利、ジャニーズWEST・藤井流星、King & Prince・岸優太、ジャニーズJr.美 少年・浮所飛貴をサポートしていかなければいけない大切な時期。年明け早々の放送に加えて、新たなゲームも導入されるなど、前向きなムードになっているようだ。

一方、『嵐にしやがれ』の後番組となる『1億3000万人のSHOWチャンネル』は、内容がガラッと変わる。

「『やってみたい』『見てみたい』企画をただひたすら実行していく」というコンセプトの番組だが、企画を考えるのはスタッフやMCを務める櫻井翔だけではなく、ゲストの芸能人、さらに一般人も参加可能。出演者だけでなく内容も変わるまったくの別番組だけに、「今のところプレッシャーはあっても『嵐ロス』のムードはまったくない」と聞いた。

ただ、どちらの番組も低迷期が続いてしまったときに、「もし『VS嵐』(『嵐にしやがれ』)が続いていたら……」「嵐のメンバーがいてくれたら……」などと「嵐ロス」を感じてしまうのではないか。

次に雑誌の編集部に注目すると、こちらの「嵐ロス」は大きかった。なかでも、嵐が最も出演していたテレビ誌の喪失感は大きいという。ネットが普及したあとのテレビ誌は「番組表や番組情報を見る」ことより、「タレントのグラビアページを見る」ことが最大の購入動機になっているからだ。

また、その大半をジャニーズ勢が占めていて、嵐も連載ページを持つなど中核を担っていた。つまり、「嵐が載っているから買う」というファンが多かっただけに、活動休止の影響をモロに受けてしまう。

最近はジャニーズJr.を含む後輩グループを大量に起用するなどの事前対策も見られたが、すぐに嵐の穴を埋めることなど不可能。ある編集者は、「嵐のメンバーには5人は無理でも2人か3人でもいいから出てほしい」と言っていたが、やはりレギュラー番組のある櫻井、相葉、二宮に限られてしまうだろう。

『嵐ロス』を軽減するグループは?

今もいくつかのネットメディアが嵐に関わる記事をアップしているが、4年前のSMAPと比べると圧倒的に少なく、穏やかなトーンのものばかり。「解散」と「活動休止」の違いに加えて、嵐は最後まで全力でさまざまな番組に出演したこと、各所で感謝のメッセージを送り続けていたこと、5人中3人が正月番組に出演していたことなどを踏まえれば、その差は当然かもしれない。

また、4年前は「SMAP」というフレーズ自体がタブーのようなムードがあった一方、嵐は相葉が『VS魂』で大みそかの配信ライブに言及し、しかも仲良しエピソードを連発。さらに、生放送中の番組に「来てもいいよ」とメンバーに呼びかけるリップサービスもあった。

「ファンの『嵐ロス』をやわらげよう」という相葉らしい配慮はもちろん、番組サイドとしてもこういう発言を積極的に取り入れることで嵐の恩恵を受けられるため、今後もしばしば見られるだろう。

そんな現状を踏まえた上で、民放各局のバラエティやテレビ誌のグラビアページの担当者たちに、「業界内の『嵐ロス』を軽減させてくれそうなジャニーズのグループは?」と尋ねてみた。

彼らも年明けのあわただしい時期のため15人しか聞けなかったが、最も多かったのは、Snow Man(6人)。次に、なにわ男子(4人)。その他は、King & Prince(2人)、SixTONES(1人)、HiHi Jets(1人)、Travis Japan(1人)の名前が挙がった。

Snow Manとなにわ男子は、どちらも「親しみやすさ」と「バラエティ対応力の高さ」が評価されての選出であり、「出演数さえ増えれば、おのずとファン層は広がっていく」と見られている。よく言われる「ポスト嵐」は見つかるわけがなく、探す必要もないが、「嵐のような影響力を持つグループはまた出てくる」というのが業界内の見解なのだ。

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