2020年12月31日
毎日新聞
ジャニーズ事務所所属の人気男性5人グループ「嵐」は31日、活動休止前の最後のコンサート「This is 嵐 2020.12.31」を、新型コロナウイルスの感染拡大を受け無観客で開催、インターネットで生配信した。結成から20年あまり。ファンたちは大きな区切りを迎えた「国民的アイドル」へ感謝の気持ちを送りながら、その最終章を見守った。
午後8時、UFOが地球に降り立つ映像から配信は開始。「We are ARASHI」との宣言の後、5人が歌う「ワイルド アット ハート」でコンサートは幕を開けた。配信画像には、ファンたちがリモートで応援する姿も映し出され、会場との一体感が醸し出された。
過去にも嵐がコンサートを開いた東京都内の会場周辺には、同日昼過ぎから、思い出の地で写真を撮影するファンたちの姿があった。「ファン思いのところが好きでした」と声をそろえたのは、都内の大学1年と同2年の女性。二十歳の2人は、グループの姿がプリントされたうちわを手に、「嵐はファンに『ありがとう』と言ってくれるけど、私たちこそ『ずっと5人でいてくれてありがとう』と言いたい」と語った。ソーシャル・ネットワーキング・サービス（SNS）にも、「嵐に出会えてよかった」「21年間、全力疾走お疲れ様でした」といったメッセージが投稿された。
また、5人は第71回NHK紅白歌合戦にも中継で出演。「嵐×紅白2020スペシャルメドレー」を披露した。コロナ禍の一年を振り返る映像を背景に熱唱した「カイト」の曲中、メンバーの一人、松本潤さん（37）が「あと2時間あまりで、年が明けて、僕たちの嵐は一旦やみます。嵐が去った後に、虹のかかった美しい空が、どうか皆さんの前に広がりますように。明けない夜はないと信じて」とメッセージを送った。
嵐は1999年、「世界中に嵐を巻き起こす」という願いを込め、相葉雅紀さん（38）、松本潤さん（37）、二宮和也さん（37）、大野智さん（40）、桜井翔さん（38）が結成。「A・RA・SHI」でCDデビューした。コンサートだけでなく、テレビドラマや映画、バラエティー番組にも出演、幅広く活躍した。【広瀬登】