2021年1月2日
女子SPA!
皆さん、お正月はどのように過ごしたいですか?アクティブに外に出るのも楽しいですし、のんびりするのも良いですよね。
ですが、夫の実家で過ごすお正月はそう自由にはいかないようで…。
今回はそんな義実家でトホホなお正月を過ごした女性2人のエピソードをご紹介しましょう。
◆東京育ちの女性が、義実家のお正月を初体験
辻恵里奈さん(仮名・29歳・派遣社員)は、昨年Kさん(38歳・不動産業)と結婚し、初めて夫の実家でお正月を過ごしました。
「私は東京生まれ東京育ちなので、近所にコンビニも無いような田舎にあるKの実家では、どんな風にお正月を楽しむのかな?と興味津々でしたね」
寡黙なお義父さんに、ニコニコしたお義母さんに歓迎され、元旦から3日までお世話になった恵里奈さん。
「まずビックリしたのは3日間、ずーっとおせち料理しか食べないんですよ。ゴージャスな3段重ねのおせちでしたが…私は甘いおかずが苦手で黒豆、栗きんとん、伊達巻きなどは食べられないので困りました」
恵里奈さんの実家では、おせちは形だけで、数の子とかまぼこ程度。恵里奈さんの好物である海老や蟹を食べるのが恒例だそう。
「しかもすぐに和食に飽きて、2日には母親がカレーを作りだしたりと自由だったので…おせちだけを黙々と食べて、コンビニにおやつも買いに行けないなんてツラすぎました。むしょうにハンバーガーやこってりしたラーメンが食べたくて仕方がなかったです」
◆娯楽は、百人一首のかるた
そして夫の実家では、初詣に行ったり、新年の抱負を発表し合ったり、百人一首のかるたをしたりと、“古き良きthe正月”といった日々を過ごしました。
「お義母さんが百人一首の歌の意味を教えてくれたり、お義父さんが初詣で破魔矢を買ってくれたりと優しくしてもらえて嬉しかったですが…正直退屈でしたね」
恵里奈さんの実家では、元旦に映画に行き、2日はスパに初風呂に入りに行くのだそう。
「しかもKが『こんなのんびりした正月、東京じゃ過ごせないよね。ホント実家は最高だ』ってずっとゴキゲンで…退屈しているなんてとても言えませんでした。
ですけど、これが結婚したって事なんだろうなと思い、百人一首を覚えようとスマホにアプリを入れて練習しています。今までみたいな気楽なお正月を過ごしたいなら、独身でいたらいいだけですもんね」と苦笑いする恵里奈さんなのでした。
続いては、夫の実家での“ゲーム”に参加させられコリゴリな女性の話です。
◆初めての夫の実家へ泊りがけ帰省
萩原早希さん(仮名・26歳・主婦)は昨年の冬、半年間お付き合いしたNさん(30歳・メーカー勤務)とスピード婚し、初めて夫の実家でお正月を過ごしました。
「Nのご両親とは何度か食事した事はありましたが、実家に泊まるのは初めてだったので、ちょっと緊張しましたね」
おおみそか、夫と新幹線に乗り、実家に向かう最中「うちは毎年、親戚が集まってゲームで盛り上がるんだよ」と言われワクワクする早希さん。
「私はゲーマーではないですが“ぷよぷよ”とか“マリオカート”は結構得意なので、手加減しながらやらないとなぁ、なんて考えていました。私が一番上手くて場を白けさせたらいけないので」
そして、夫の実家に到着しご両親となごやかにご馳走を囲み、元旦の朝…。
◆ゲームとは羽根つき大会だった…
「お雑煮をごちそうになっていると、近所に住む親戚家族が新年の挨拶に来たので『よし、このままゲーム大会だから外に出て』と急かされて。え、何で外?と思いながらも皆んなについて行きました」 裏庭に集まると、なんと“羽根つき”大会が始まり驚く早希さん。
「ゲームってこれ?嘘でしょ?ってポカンとしてしまいました。こんなの子供の頃に学校で習ったのと“サザエさん”でしか見た事ないですし、羽子板なんて初めて触りましたね」
そして夫と義両親、親戚の子供まで皆とても羽つきが上手く、ハラハラするラリーの応酬を繰り広げていた事から、幼い頃からかなりの練習を重ねてきたんじゃないか?と思いました。
「ついに私の番がきて、7歳の女の子と戦ったのですが…ボロ負けしてしまって。バドミントンならした事がありましたが、羽つきとは全然違いますね」
◆今時こんな罰ゲーム、ホントにやるんだ?
するとダントツでビリになった早希さんの顔に『罰ゲームだ!』と、参加者全員から墨汁のついた筆で顔に◯や×を書かれてしまい…。
「こんな罰ゲーム、ホントにやっている人達いるんだ?と衝撃でしたね。その場はなんとかニコニコしてやり過ごしましたが、後でNと二人になった時についキレてしまって」
「やった事のない羽根つきなんて負けるの当たり前だし、よってたかってこんな恥ずかしい目に遭わせるなんて!」と早希さんが文句を言うと、「たわいのないお正月の遊びなんだから、適当に合わせろよ」と全く引かない夫。大喧嘩になってしまいました。
「驚いて様子を見に来たお義母さんの悲しそうな顔が辛かったですが、怒りが収まらない私はNを置いて先に東京に帰ってしまったんですよ」
そこまで怒らなくても…という気もしますが、夫の親戚の中で一人なじめないのがしんどかったのでしょう。
その後、帰ってきた夫と話し合い仲直りをし、義実家の両親にも電話をして謝りましたが…次のお正月の事を考えると不安な早希さん。
「もう二度としたくないんですよ、羽根つきなんて。コロナを理由に帰るのやめられないかな?なんて考えています」
―年末年始のトホホエピソード―
<文&イラスト/鈴木詩子>【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。