錦戸亮が武道館初の無観客ライブ開催へ、新たな歴史への反響は

2020年9月30日

NEWSポストセブン

 2019年9月にジャニーズ事務所を退所して以降も精力的なソロ活動を続けてきた元「関ジャニ∞」の錦戸亮が、10月8日に無観客オンラインライブ『錦戸亮 ONLINE LIVE “不撓不屈” at 日本武道館』を開催する。日本武道館で無観客ライブが行われるのは、1964年に開館して以来、初めてのことだという。

 1966年に来日したビートルズによる伝説の武道館公演から“ロックの殿堂”というイメージが強かった武道館も、2000年代以降はハロープロジェクトやAKB48グループを始めとするアイドルグループに門戸を開き、ロック以外のジャンルにおいてもひとつの登竜門となっている。

 今回の無観客ライブ開催について錦戸は、「本来なら秋にアリーナツアーを予定していましたが、昨今の状況を鑑みた結果、僕自身初めての配信ライブに挑戦させて頂く事となりました。しかもあの日本武道館で。初めての武道館で初めての配信ライブ。普段から応援して頂いているファンの皆さんはもちろん、初めての方にも届けられると嬉しいです。武道館の無駄遣いを是非ご覧下さい!」とのコメントを発表している。

 ライブタイトルの「孤軍奮闘」という言葉が示すとおり、元ジャニーズ人気アイドルが、長きにわたる日本武道館の歴史を塗り替えることに注目が集まる。そうした中で、やはりロックバンドにとって“ロックの殿堂”である武道館は憧れの舞台。ロックバンドのファンにとっても、贔屓のバンドが武道館公演をするのは目標のひとつだろう。そうしたファンは、今回の錦戸の武道館ライブ開催を、どう受け止めているのだろうか。

 武道館を目指すラウドロック系の某バンドを応援しているという女性ファン・Aさん(10代・女性)は、率直な思いをこう語る。

「私が応援しているバンドは、ちょっとお茶の間志向、コミカル路線のラウドロック・バンドです。ファンも同世代から30代くらいまでが多いのですが、かねてより『武道館、アリーナ、紅白が目標だ!』と大きく夢を掲げています。実際に知名度もアップしてきましたが、現在もライブハウスがメインなので、武道館が実現するのは少し先だと思います。

 錦戸さんが無観客で武道館ライブをするということについて、『さすが元関ジャニさんだ!』と素直にすごいと思いましたね。ジャニーズアイドルは詳しくないですが、若手や中堅バンドの場合はまずは動員を増やすことに心血を注ぐので、無観客でも武道館を貸し切れるのは人気がある証拠だと思います」(Aさん)

 武道館ライブを目標に掲げている某ヴィジュアル系バンドのファン・Bさん(30代・男性)は、このように語る。

「僕が応援しているバンドは、もう10年以上活動を続けているバンドです。演奏技術も高く、実力派のバンドでヘヴィメタル好きの男性ファンも多い。ただ、今このジャンルの音楽シーンは正直、人気が下火なんですね。ライブハウスのツアーでさえ、すべてソールドアウトさせることは難しいです。そこにきてコロナがあり、ライブハウスが主戦場のヴィジュアル系やメタル系バンドは苦しんでいると思います」(Bさん)

 自分が応援しているバンドが長年実現できない武道館公演を、錦戸が実現させることについては、どう感じているのか?

「僕はこのニュースを見て、率直に錦戸さんの高感度が上がりました。そもそも関ジャニ時代は当たり前のように5万人規模の東京ドームで公演をしていたわけですよね? それでも発表コメントに『あの日本武道館で』という言葉があった。キャパで軽んじることなく、武道館に憧れを持ってくれているのは、素直に嬉しいです。今はソロ楽曲も作詞作曲されているそうで、ロックシンガーとしても注目したいと思います」(Bさん)

 先日はコロナ禍で大規模なファンミーティングを成功させ、エンタメの新たな形を提示してみせた錦戸亮。「新しい生活様式」が徐々に定着していくなか、武道館での無観客配信ライブという新たな試みも、他のアーティストの今後の活動に影響を与えるのかもしれない。