2020年9月10日
プレジデントオンライン
スマホ代を節約するにはどうすればいいか。『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る! 勝間式ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)を出した経済評論家の勝間和代氏は「Androidの最新機種はiPhoneより安く、使い勝手もいい。さらに通信回線を格安SIMにすれば通信費は毎月1000~2000円にできる」という–。
※本稿は、勝間和代『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る! 勝間式ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■高所得者層に格安SIM利用者が多い理由
スマホというとまず、ドコモ、au、ソフトバンクの大手携帯会社(通称、大手キャリアや三大キャリア)を思い浮かべますよね。その大手から通信設備を借りて、格安SIMを提供している事業者をMVNO(エムブイエヌオー/Mobile Virtual Network Operatorの頭文字)と言います。ソフトバンクグループは独自の格安スマホブランドのワイモバイルで、格安SIMを提供しています。
MMD研究所という機関の調べによると、2020年3月現在で、MVNO利用者は14%強いて、ワイモバイル利用者を合わせると、格安SIM利用者は20%強になります。どういう人が利用しているかというと、格安だから経済的な余裕がない人が多いのかと思いきや、実は逆なんです。高所得者層ほど、格安SIMの移行割合が高いことが調査でわかっています。
理由は2つ分析されていて、1つは格安SIMを使う場合、端末を一括購入する必要があるためです(分割購入もできなくありませんが、手続きが面倒臭い)。2つ目は、事業者を自分で調べて選んだり、回線の切り替えをするなど、ある程度ITリテラシーがないと移行できず、ITリテラシーが高い人は高所得者に多いため、と言われます。
■格安SIMに移行しないのはもったいない
さて、この格安SIMに移行すべきかどうかですが、私は移行すべきで、移行しないのはもったいないと思っています。
実際に、私は2年ぐらい前から格安SIMにしています。今は携帯を2つ使っていて、OPPOとファーウェイの携帯に格安SIMを1枚ずつ入れて、片方だけ音声通話ができるようになっています。娘は音声通話ができるものを1枚使っていて、3枚合わせて支払うようになっていますが、3枚で月々いくらだと思いますか? 3000円ちょっとだけなんです。
■携帯はデータ通信料以外、1000~2000円
格安SIMの問題点を一つ挙げるとすると、朝と夜の通信速度が朝と夜だけ遅くなることです。要は、みんなが多く使う時間帯です。遅いといっても1メガぐらいは出ますが、遅くなるのが嫌な人はデータ通信と音声通信を別の会社で契約するといいでしょう。
私は、データ通信はデータ通信専用の会社にしていて、月々5000円払って200ギガ契約をしています。どこかに出張に行ったときなど、どんなに使ってもデータ通信は一日5ギガぐらいです。普段はどんなに使っても5ギガを超えることはないので、200ギガあったら家でも外でも通信量を気にせずに、使いたい放題できます。
NETFLIXもYouTubeも、バンバン見ています。これが100ギガだと、結構足りなくなるようです。実際に100ギガにした人に聞くと、200ギガにすればよかった、という話をよく聞きます。
いずれにしても、携帯電話料金というのはデータ通信以外、月々1000円ぐらいで、かかっても2000円だと思ってください。もし今大手キャリアで、月々8000円とか1万円払っていたら、払い過ぎていると思うので、契約を見直すことをお勧めします。
具体的に、どういう格安SIMにすればいいかというのは、ウェブでたくさん載っています。それでもよくからないときには、家電量販店に行くと全部丁寧に教えてくれます。その際、iPhoneユーザーの方はぜひ、Android機種の売り場も覗いてみてください。
■2万円以下のAndroidでも12万円のiPhone10に劣らない
今私はOPPOとファーウェイの携帯を使っていると前述しましたが、以前の私は、かなりちゃんとしたiPhoneユーザーでした。iPhone3から始まって、5、7、10まで使っていたので、2017年ぐらいまではiPhoneユーザーでした。
ところが、2018年にGoogle Homeを買って、Googleの技術力の凄さを知ってしまったんです。アレクサやSiriだと全然答えられない質問も、Google Homeはバシバシ答えてくれました。
それで、ひょっとしてAndroidも同じくらい優秀なのかな、と思ったわけです。Googleが作っているOSなので、技術力に差があるのかもしれない、という仮説を立てました。また、私はRemote Mouseという音声入力ソフトを使っていて、それがAppleのOSのiOSだと使いにくさを感じていました。
そのことをブログなどに書いていたら、Androidだと使いやすいよ、ということを教えてくれる人が結構いたんです。それで、じゃあとりあえずRemote Mouse用に当時一番安いAndroidを買ってみようと思って、2万円弱のファーウェイのP20ライトというエントリー機を買って、使用感を調べ始めました。
まずびっくりしたのは、おかしいんじゃないか、と思うぐらいスピードが早いことでした。12万円もしたiPhone10と比べて、スピードも操作性も、2万円しないAndroidのファーウェイが引けを取らなかったのです。iOSだと、Remote Mouseだけでなく、同じ音声入力のシメジの立ち上がりにも時間がかかりました。
なぜ遅いかと言うと、iOSは大事な部分をAppleにしか開示していないんですね。だからSiriの音声入力の立ち上がりは速いけど、Remote Mouseやシメジのようなサードパーティーの音声入力の立ち上がりは遅くなるわけです。
ソフトウェアが同じ能力のCPUであっても、遅くなる傾向があるということを知り、2万円しないAndroidでこんなに快適だったら、高額のAndroidはもっと快適かもしれない、と思って買ったのが、9万円ぐらいしたファーウェイのメイトプロ20という機種です。
■1日ヘビーに使っても電池が持つ
ファーウェイのメイトプロ20にして本当にびっくりしたのは、画面が大きいことです。ベゼルレスって言いまして、普通のスマホは枠がありますよね。ベゼルレスは枠がないタイプで、ほとんど全部画面なんです。それまで使っていた8インチのタブレットがなくなるほど大きくて、出張に行くときはファーウェイだけで済み、荷物がすごく少なくなりました。
電池の持ちがいいことにも、本当に驚きました。iPhone10が2700ミリアンペアアワー。たまに使うオッポのスマホが3400ミリアンペアアワー。Androidのファーウェイの携帯は4200ミリアンペアアワー。この差は本当に大きくて、まず4200のファーウェイを使っているときは、私電池の心配したことほとんどありません。充電をし忘れないでフル充電にしておけば、丸1日、結構ヘビーに使ってもなくなりません。
それに対して3400のオッポだと、1日ギリギリもつか持たないかで、夕方になるとちょっと不安になりました。2700のiPhone10を丸1日使うときは、必ず充電器を持ち歩いてました。つまり、ファーウェイにしたら、充電器を持ち歩く必要がほとんどなくなりました。それまで当たり前にやっていた充電の手間って、意外とかかるんだな、と痛感しました。
■2019年には、完全にAndroidの性能が上に
ずっと、使いやすいスマホといえばiPhoneで、Androidは使い勝手が悪くてイマイチだと思っていた印象が、ここ1、2年で全然変わりました。
AndroidのベースはGoogleなので、GmailやGoogleドキュメント、Google マップ、Google Playゲームなど、すべてプリインストールされて入っています。これらは私が年がら年中使うものなので、新しい機種を買ったときの移行がすごい早く済みます。
当たり前ですが、それまでいちいちダウンロードしていたChromeも初めから入っています。Google系のOSやGoogleのソフトウェアを使い慣れている人は、iOSよりも圧倒的にAndroid系の携帯のほうが断然楽です。
昔の使いにくいイメージは一掃されていると思います。データもGoogleドライブにバックアップしてありますから、Googleのアカウント入れるだけで、このデータは戻しますか? という確認作業だけで簡単に済みます。
思うに、iPhoneのようにクローズドプラットフォームでApple社1社しか作ってないスマホと、オープンフラットフォームで何十社も競い合って作るスマホは、中長期的に追い抜かれてしまうのでしょう。
私のイメージで言うと、iPhoneは2017年に追いつかれて2018年には追い抜かされて、2019年には完全にAndroidのほうが性能が上になっています。
もしこれまでずっとiPhoneしか使ってなくて、Androidってすごく性能悪いんでしょ、と思ってる人は、Androidのハイエンドの携帯を検討する価値があると思います。ハイエンドといってもiPhoneよりは安くて、8万~9万円です。店頭で試用できるので、そこで使用感を確かめて、本当にずっとiPhoneを使い続けるべきかどうか、1回は検討する余地があると思います。
勝間 和代(かつま・かずよ)
経済評論家/株式会社監査と分析取締役/中央大学ビジネススクール客員教授
1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワーク・ライフ・バランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。著書に『勝間式食事ハック』(宝島社)、『勝間式超ロジカル家事』、『勝間式超コントロール思考』『ラクして おいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理』(以上、アチーブメント出版)などがある。
(経済評論家/株式会社監査と分析取締役/中央大学ビジネススクール客員教授 勝間 和代)