2020年7月23日
NEWSポストセブン
7月9日、ジャニーズ事務所の前社長、ジャニー喜多川さん(享年87)の一周忌を迎えた。生前のジャニー氏が最後にCDデビューを決定したのは、2020年1月に事務所初となる2組同時デビューを果たした「SixTONES」(ストーンズ)と「Snow Man」(スノーマン)、通称“スノスト”である。
スノストは滝沢秀明副社長が猛プッシュしてきたグループとしても知られるが、ジャニー氏がひときわ目をかけ、その成長に期待していたグループは他にもある。そのひとつが、橋本涼、井上瑞稀、猪狩蒼弥、高橋優斗、作間龍斗の5人組、「HiHi Jets」(ハイハイジェッツ)だ。ローラースケートを特技とし、そのスキルの高さは「光GENJI」の佐藤アツヒロが太鼓判を押すほどだ。
ただ、ジャニー氏が注目していたのはローラースケートのスキルだけでなく、中高生とは思えないようなセルフ・プロデュース力の高さだったようだ。なかでもジャニー氏が舌を巻いたというのが、当時16歳だったメンバー・猪狩蒼弥(17)によるローラースケート使用楽曲の振り付けである。
通常、ジャニーズジュニアも含め、振付師や演出家に従ってコンサートを作り上げていくのが主流になっているが、HiHi Jetsはライブの構成から演出、自己紹介ラップに至るまで、そのすべてをメンバー自身の手で作り上げている。こうした素質を早くから見抜いていたジャニー氏は、彼らに「自由にやっていいよ」と伝えてきたという。
彼らのポテンシャルについて、これまでさまざまなジャニーズの舞台やコンサートに足を運んできたという、“ジャニーズファン歴30年”の女性・Aさん(40代)は、こう語る。
「ジャニーズJr.である彼らは、帝国劇場、日生劇場、シアタークリエで舞台に立ち、夏休み中には六本木のEX シアターなどでコンサートに出演します。これまで数えきれないくらいジャニーズ関連の舞台やライブに度々足を運んできましたが、HiHi Jetsのコンサートは飛び抜けてオリジナリティが高く、ファンを楽しませようとする能動性の高さが突出している。
あれだけの若さにもかかわらず、大人たちに『やらされている感』が一切ないのには驚きます。スノスト(Snow Man、SixTONES)のデビューが発表された2019年8月8日の東京ドーム公演の際、ドームの観客全体を巻き込み、盛り上げる“煽り”は先輩グループにも勝っていたように思います。ローラーだけでなく、生歌も歌える、ダンススキルも高い。なにより『天下を取るぞ』という若き野心が溢れ出ているグループです」
そんな彼らは同じくジャニーズJr.の「美 少年」らと切磋琢磨しながら、メディア露出を広げつつあるが、「お茶の間のスター」になりうるポテンシャルはあるのか。自らもジャニーズファンであるテレビ局勤務の女性・Bさん(20代)は、こう指摘する。
「最近では『ダウンタウンDX』(読売テレビ系)に出演し、頭の回転の速さや愛嬌の高さで、番組を盛り上げて、ダウンタウンにも上手くいじってもらっていました。そんな彼らのバラエティ力の高さを示すのがレギュラー出演している『裸の少年』(テレビ朝日系)です。
バラエティで何を求められているのかを察する勘の良さだけでなく、礼儀正しい姿に品性を感じる。『ご家族だけでなく、ジャニーさんにしっかりと教育されたんだな』、というのが伝わってきます。ビジュアルも爽やかなので、今後はドラマでも活躍していくでしょう。最近、退所するタレントが目立つジャニーズ事務所ですが、5年後、10年後には、彼らがジャニーズ事務所の先頭に立って“ジャニーイズム”を体現しているのではないでしょうか」
2019年7月のジャニー氏の“家族葬”の際には、ジャニー氏への挨拶を述べる代表者として東山紀之、KinKi Kids堂本光一と並んで、ジャニーズJr.代表としてHiHi Jetsの高橋優斗が選ばれたことも話題を呼んだ。「伝説のグループになりたい」と口にする彼らの活躍を、ジャニー氏はいまも見守っていることだろう。