2020年7月27日
シネマトゥデイ
俳優の妻夫木聡が、3DCGアニメーション映画『STAND BY ME ドラえもん2』(近日公開)で、大人になったのび太の声優を続投することが明らかになった。原作コミックの名作エピソード「おばあちゃんのおもいで」をベースにした物語を描く本作。重要な役どころとなる、のび太のおばあちゃんの声を宮本信子が担当することもあわせて発表された。
国民的アニメ「ドラえもん」シリーズ初のCGアニメ版として2014年に公開され、全世界興行収入100億円を突破した『STAND BY ME ドラえもん』の続編。前作から引き続き、監督を八木竜一、脚本・共同監督を山崎貴が務める。のび太と幼いころに他界した大好きだったおばあちゃんの再会を描く「おばあちゃんのおもいで」をもとに、オリジナル要素を加えて再構築した話となり、のび太としずかちゃんの結婚をめぐるラブストーリーだった前作のその先に続く物語でもある。
前作同様、大人になったのび太(役名:大人のび太)の声優は妻夫木聡。前作で描かれた結婚前夜から一夜明け、結婚式当日を迎えたのび太に声を吹き込む。再び大人のび太役を務めることになった妻夫木は「ドラえもんは僕たち日本人にとって切っても切り離せない国民的な漫画です。その中でのび太くんを演じさせて頂けることをいつも誇りに思います」とコメント。今回の大人のび太はセリフの量が前作の10倍以上あったそうで、八木監督は「ご本人的にも相当プレッシャーだったのではないかと思いますが、終わった時に『いやぁ、とても楽しかった』と言って下さったのが印象深かったです」と明かしている。
そして、物語の行方をにぎる、のび太のおばあちゃんの声は宮本信子。「あの“のび太”のおばあちゃん役なんて、とても楽しそう! と、ワクワクしました」という宮本。原作の「おばあちゃんのおもいで」を読んだといい、「お年寄りにはお年寄りの役目があるというか、歳を重ねたからこそわかる想い、というのを感じました。『おばあちゃんは、ここで待ってるから』という台詞があるのですが、私が一番好きな台詞です」と語った。
この発表とあわせ、新たな予告映像とティザーポスターが公開になった。(編集部・小山美咲)
キャスト・スタッフコメント全文
<妻夫木聡>
再び大人のび太くんの声を演じさせて頂くことになりました、妻夫木聡です。
のび太くんとはCMでの撮影でご一緒してから、勝手に縁を感じさせて頂いています。
ドラえもんは僕たち日本人にとって切っても切り離せない国民的な漫画です。
その中でのび太くんを演じさせて頂けることをいつも誇りに思います。
のび太くんは大人になってもどこか頼りなくて、おっちょこちょいで、危なっかしい男ですが、そんなのび太くんの根底には深い優しさがあります。それはまさしくおばあちゃんから頂いた優しさなんじゃないかと思っています。
今回はそのおばあちゃんとの有名なエピソードが登場します。
「おばあちゃんのおもいで」はドラえもんの中でも最も好きなお話です。
未来から来たのび太を疑わずに、深い優しさで受け止めたくれたおばあちゃんに涙したのをよく憶えています。
そのエピソードを交えつつ、今回の『STAND BY ME ドラえもん2』も涙なしには観られません。
おばあちゃんののび太を信じる無償の愛に、そして、のび太の諦めない心と思いやりの心に涙しました。
その希望に満ち溢れた涙を体感しに是非、劇場にお越し下さい。
<宮本信子>
あの“のび太”のおばあちゃん役なんて、とても楽しそう! と、ワクワクしました。それに昔、伊丹組の映画『大病人』の現場で、山崎さんが走り回っている姿をよく拝見していたんです。そのあと素晴らしい映画監督になられて、いつかお会い出来るのを楽しみにしていたので、今回お話しを頂いたときは嬉しかったですね。原作の「おばあちゃんのおもいで」を拝読しまして、お年寄りにはお年寄りの役目があるというか、歳を重ねたからこそわかる想い、というのを感じました。「おばあちゃんは、ここで待ってるから」という台詞があるのですが、私が一番好きな台詞です。
ドラえもんは今年で50周年。作り手がどんどん変わりながらずっと続き、皆から長く愛されるのは、本当に素敵なことだと思います。私も最近、50年ぶりに再会した監督やスタッフの方々がいて、50年ずっと健康で仕事を続けていくって本当に凄いことだよって周りから言ってもらったんです。この先も、お互いにずっと続けていけたら良いですよね(笑)。『ドラえもん』を観ている子どもたちが、笑ったり、感動したりする声を、早く劇場で聞きたい! 皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
<監督:八木竜一>
ようやく皆様に発表出来てうれしく思います。本作では前作に引き続き、大人になったのび太を、妻夫木聡さんに、またのび太のおばあちゃんを、宮本信子さんに演じて頂きました。実は、プレスコ収録をしたのがお二人とも1年ほど前の2019年4月下旬でしたので、本当に「ようやく」です。
収録前に妻夫木さんから、「少しゆっくりめにしゃべって、のんびりとした雰囲気を出したい」と提案があり、情けなくも愛嬌のある、どこか健気な「大人のび太」になりました。今回の大人のび太は、セリフの量が前作の10倍以上あり、ご本人的にも相当プレッシャーだったのではないかと思いますが、終わった時に「いやぁ、とても楽しかった」と言って下さったのが印象深かったです。
宮本さんには、おばあちゃんを最大級のやさしさで表現して頂きました。おばあちゃんには、どんな時でもニコニコとして、ちょっとやそっとでは動じない強さと、命の儚さがあります。宮本さんは収録時に、朗らかで深い暖かさを、そして後数年したら亡くなってしまう儚さまでも声に籠めてくれました。本当に見事な「おばあちゃん」でした。
僕らは、そのように録られた声を頼りにコツコツとアニメを作っている訳です。確実に前作よりいい画が出来上がりつつあります。皆様、どうぞご期待ください!
<脚本・共同監督:山崎貴>
今回、大人のび太は前回に比べるとかなり話の中心をになう重要なキャラクターになります。ですから演じていただく妻夫木さんは、量はもちろん、かなり繊細な演技を大量に要求されて大変だったのではないかと思います。一見フニャフニャしつつ、しずかちゃんの結婚相手としての“そこはかとない魅力”を良い塩梅に出してくれたと思います。これって妻夫木さんにしか出来ない特殊能力だと思います。だってあのダメダメな大人のび太が段々格好良く見えてくるんですよ! そして今回念願の宮本さんとの仕事も出来ました。僕は伊丹組育ちなんです。随分沢山の伊丹監督作品でVFXの仕事をさせて貰いましたが、そこでいつもニコニコと挨拶してくれた宮本さんとまた作品の現場でお目にかかることが出来たのは望外の喜びでした。お芝居は当たり前のように素晴らしく、のび太のおばあちゃんの柔らかさやその後ろにある芯の強さみたいなものまで表現してくださって、逆に僕らが、あぁおばあちゃんはこういう人なんだと教えて貰ったような気がします。お二人にそれぞれの役を引き受けていただいて、今回の『STAND BY ME ドラえもん2』はぐっと艶を増したと思います。楽しみにしていて下さい。