松本潤&山下智久らが再放送で視聴率稼ぐも…際立つジャニーズの人材不足

2020年6月8日

日刊ゲンダイDIGITAL

 2002年に放送された仲間由紀恵(40)主演の学園ドラマ「ごくせん」(日本テレビ)が3日、当時と同じ枠である水曜夜10時に「特別編」として再放送され、視聴率12・7%を記録。業界内外をザワつかせた。

「昨今のGP帯の連続ドラマは10%を超えるのに四苦八苦、12%台ならそのクールの上位5本に入って“ヒット作”と言われますから、18年前の作品の再放送でこの数字は、業界としては複雑な気分でしょう」(広告代理店関係者)

 正統派美女の仲間が極道の娘で教師役を務め、2005年の第2シリーズは平均視聴率28・0%、最終回32・5%を記録。日テレドラマの伝説的シリーズの原点だ。

 ジャニーズ事務所の超人気グループ「嵐」の松本潤(36)をはじめ、小栗旬(37)、松山ケンイチ(35)、成宮寛貴(37)など、今見ると豪華すぎる面々が“不良生徒”を演じた第1シリーズの再放送にはネット上も大いに反応し、ツイートでトレンド入りもする盛り上がりを見せた。

「画質がデジタル化前のものであったことも含めて、40代を中心に懐かしむ声が多かったのは確か。当時見ていなかった世代にも現在の“スター”の若き頃が見られて新鮮だったと思いますし、親子のコミュニケーションのきっかけにもなったはずです」と語るのは、テレビコラムニストの亀井徳明氏。

 亀井氏は「『ごくせん』が放送された2002年は、テレビ史的に語りたいことが多い」と、思いを馳せる。

「この年は日韓共催のサッカーワールドカップが最大の話題。連続ドラマもその影響を少なからず受けました。最も影響を受けたのは、02年4月クールにTBSの伝統枠である“日曜劇場”で放送された、稲垣吾郎主演の『ヨイショの男』。盛り上がるはずの第8話が、稲本潤一のゴールで日本がW杯初勝利を飾ったロシア戦の真裏で……その試合の平均視聴率が66・1%、瞬間最大視聴率はなんと81・9%でした」

 その時の「ヨイショの男」の視聴率は4・2%。「当時は“惨敗”扱いされましたが、今思うとすごいことです」と、亀井氏はこう続ける。

「広告主から見たら少ない数字に見えたかもしれません。でも4%台といえば、最近なら『孤独のグルメ』や『おっさんずラブ』など、“ブーム”を作ったドラマと同等の数字。熱狂的なW杯の最中でこの数字を出したというのは、むしろ当時の稲垣さん、SMAP、ひいてはジャニーズ勢が強かった証明でもありますね。一般的な好き嫌いは別として、絶対に裏切らない固定ファンがいる強みの表れでしょう」

「ごくせん」しかり、コロナ禍中の再放送でも数字を稼いでみせるジャニーズ勢出演ドラマ。現在再放送中の亀梨和也(34)、山下智久(35)共演の「野ブタ。をプロデュース」(日本テレビ=2005年)も好評だ。

「もっとも、1990~2000年代はジャニーズの“黄金期”とも言えます。長瀬智也主演の『白線流し』(フジテレビ=1996年)など、ドラマ自体の質にも恵まれていた。当時からのファンが今も根強く支えているところもありますし、ファン以外にも広く支持されていますが、現在のジャニーズの若手が出演したドラマが10年後、20年後にどう見られるのかといえば……」(テレビ誌ライター)

 たぶん松潤や山Pほどじゃない気がする。“人材不足”か。

(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)