キムタク48歳、山Pのジャニーズ退所騒動で際立った「カリスマ性」 やっぱりキムタクはすごかった!

2020年11月13日

現代ビジネス

退所後も成功する錦戸や手越

山Pこと山下智久(35)が10月末をもってジャニーズ事務所を退所した。これで、ジャニー喜多川氏が亡くなった後、その去就が注目されていた所属タレントたちはほぼ退所しきった、というところだろう。

そこで退所者たちのその後の活躍やいかに……と目を向けてみれば、ほとんどはYouTubeなどのネット活動と、楽曲リリースが主だ。収入は動画再生の広告料やアルバムの売り上げ、そしてファンクラブの会費などだが、これらは事務所の取り分がなく全て自分に入る。

そのため皆、収入はジャニーズにいた頃よりもアップ。YouTuberに転じた手越祐也(33)などは、チャンネル登録者数が160万を超えており、退所後の年収は4億円に上るとも言われている。それは、昨年退所した元・関ジャニ∞の錦戸亮(36)や、一足早く2014年に独立した赤西仁(36)に関しても同じようだ。

それでは人気を獲得したジャニーズタレントは、退所してしまったほうが得ということになるのだろうか? この疑問に答えるべく目を向けたいのが、退所が取り沙汰されながら、珍しく“残る”という選択をした木村拓哉(48)だ。

日本中が衝撃を受けた2016年のSMAP解散騒動は、木村だけがジャニーズに残ることを選んだためグループが分裂したとされ、当時、彼は裏切り者として激しく戦犯扱いされたものだった。しかし、後の彼の復活ぶりを見ると、その判断はあながち間違いではなかったように思える。

「弱さ」を見せたキムタクの戦略

謝罪会見を開き、一度は解散を踏みとどまったSMAPだったが、結局その年末に稲垣吾郎(46)、草なぎ剛(46)、香取慎吾(43)の3人が事務所を退所。これをもって国民的アイドルグループ・SMAPは、25年に渡る栄光の歴史に幕をおろすこととなった。

3人と共に事務所を出ようとしたが、様々な引き止めに遭い事務所に残った中居正広(48)とは対照的に、積極的に残留を決めた木村はファンからの反感も強く、しばらく不遇の時代を送ることとなる。

3人の退所後すぐに主演ドラマがスタートしたが、「事務所に残ったご褒美主演だ」と邪推され、視聴率はキムタクにしては低迷。また、その後公開された主演映画『無限の住人』も、若手人気俳優・菅田将暉(27)主演の『帝一の國』に破れるなど興行成績が奮わなかった。

さらに、映画『検察側の罪人』で嵐の二宮和也とW主演することが発表されたときも、「人気復活のために嵐の力を借りようとしている」という非難の声が噴出。何をやっても裏目に出るという状態で、この時点では「キムタクはもう終わった」、「5人で一緒に事務所を出たほうが良かったのではなかったか」という見方が完全に優勢となっていた。

ところがそんな雲行きがが変わったのが、1年ぶりにテレビにその姿を現したドラマ『BG~身辺警護人』からだ。何があっても依頼人を守り抜く丸腰のボディガードという、ザ・キムタクな役柄ではあったのだが、アクションをこなした後「アイタタ」と腰をさするなど、あのキムタクが初めて“弱さ”を見せる。

この新たなキムタクが好意的に受け止められ、平均視聴率は15.1%と好成績を収めた。翌年公開された主演映画『マスカレード・ホテル』も、興行成績50憶円に迫るヒットを記録。解散の負のイメージは着実に払拭されつつあった。

やっぱりすごい木村拓哉

そして、再び「キムタクここにあり」を見せつけたのが、2019年末に放送された主演ドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)だ。このドラマでキムタクは、天才的な料理センスを持ちながらも大事なところは鈴木京香(52)演じるメインシェフに譲るという、“うすくちキムタク”に転換。

これが、『ロングバケーション』や『ラブジェネレーション』など全盛期のキムタクを知らなかった若者世代にも好評を博し、一躍“カッコいいおじさん”として再ブレイクに近い復活を果たしたのだ。

その後は、『BG~身辺警護人』のパート2が製作されただけでなく、今年初めに放送された特別企画ドラマ『教場』は、好評を受けて『教場2』として来年も放送されることが決定。主演作品のシリーズ化が続いている。また最近では、「ドライブスルゥでちょいマック~♪」と奇妙なメロディを口ずさむCMで強烈なインパクトを残すなど、良くも悪くも見る者をザワつかせる従来のキムタク手法で、すっかりメインストリームに返り咲いた印象だ。

この結果を見る限り、キムタクのジャニーズ残留は完全にベターな選択だったと言えるだろう。もちろんこれはあくまで現時点での結果で、この先またどうなるかは分からない。しかし、困難が立ちはだかっても安易に退所の道を選ばず、バッシングを真っ向から受け止め、それを実力で払いのけ再び立ち上がってきたキムタクの底力については、さすがとしか言いようがない。

続々とジャニーズをやめていくタレントたちを見ていると、「出て正解だ」とか「活躍の場が減ってもったいない」とか、人それぞれに様々なことを思うだろう。が、そうして散々いろいろなことを思った結果、一周してたどり着くのは、意外と「やっぱキムタクってすごいよね」ということだったりするのかもしれない。