ミズノ、グンゼ、無印…布マスク、ファッション性に涼感も

2020年6月3日

産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大で需要が急増したマスク。

 不足が深刻だった使い捨ての不織布マスクは市場に出回り始めた一方、洗って繰り返し使える布マスクはスポーツ用品メーカーや肌着メーカーなど異業種が相次いで参入し注目が集まっている。耐久性や着け心地の良さに加え、ファッション性も兼ね備えるのが人気の秘訣。涼感をウリにするマスクもあり、暑い夏に向け新たなニーズを喚起している。(山本考志)

人気でサーバーダウン

 ミズノはスポーツ用品や運動プログラム開発のノウハウを生かした布マスク「マウスカバー」を開発した。生地には陸上ウエアや競泳用水着に使われる伸縮性と肌触りの良さを備えた素材を使用。肌への負担を抑え、手洗いすれば繰り返し使うことができる。カラーは24種類で単色タイプが850円、プリントタイプが900円(いずれも税別)。サイズも男性、女性、子供向けの3タイプを用意する。

 同社が5月15日に公式サイトで1人10枚を上限に予約販売を始めたところ、2万枚を即日完売。5万枚を用意した28日からの予約販売では先着順から抽選に切り替えたが、同日中にアクセスが集中してつながりにくくなった。サーバーメンテナンスのため3日現在、受け付けを中止している。

 同社は「抽選への応募期間を4日間にして余裕を持たせたが、想定以上の反響に驚いている。サーバー復旧作業を急ぎ、一日でも早く受け付けを再開したい」としている。

日本代表採用の素材

 スポーツ用品メーカーでは、ヨネックスも独自開発の涼感素材「ベリークール」を使用した布マスク「スポーツフェイスマスク」を7月に数量限定で発売する。

 生地には汗に反応して熱を吸収するキシリトールを配合したほか、メッシュ素材で吸汗速乾性を高め、抗菌加工で臭いも低減する。バドミントン日本代表チームやプロテニス選手のユニホームにも使用されており、洗濯も可能。

 カラーはブラック、ピンク、ライトブルー、アイスグレーの4色でそれぞれ840円(税別)。年代や性別に合わせてひもの長さを調整する機能もある。

国産にこだわり

 生地開発のノウハウを持つ肌着メーカーやアパレルメーカーなども独自のマスク生産に乗り出している。

 グンゼは5月13日に肌着用の生地を使った布マスクを公式サイトで発売。縫い目を減らした伸縮性の高い生地で着け心地の良さを追求した。国産にこだわり、京都府宮津市の工場などで月産50万枚を製造する。

 生活雑貨「無印良品」を展開する良品計画は綿100%の生地に抗菌防臭加工を施した布マスクを公式サイトで販売。今月上旬には涼しさを感じられるオーガニックコットンの夏用パジャマ生地の余りを再利用し、抗菌防臭加工を施した商品を全国の店舗で発売する。

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングも機能性肌着「エアリズム」に使用する通気性や速乾性に優れた生地で布マスクを開発中だ。

企業イメージ向上も

 政府が布マスクの全戸配布を続けるなか、異業種による参入が相次ぐ背景について、流通アナリストの渡辺広明氏は「大半を輸入に頼る不織布マスクはいつ供給が不安定になるかわからい。ただ、布マスクも一般的なガーゼタイプは熱や湿気がこもりやすく夏場は不向き。機能性の高い素材を持つ大手メーカーにとって、使い心地のいい布マスクの開発はビジネスだけでなく、企業イメージの向上にもつながる」と分析している。