アルバム世界一も納得 嵐を支える熱烈ファンの購買意欲と“布教活動”

2020年3月24日

日刊ゲンダイDIGITAL

 さすがというか、恐るべしか。ジャニーズ事務所の稼ぎ頭「嵐」が世界一に輝き、世間をアッと言わせた。

 世界で昨年、最も売れたアルバムは嵐のベスト盤「5×20 All the BEST‼ 1999-2019」だったと国際レコード産業連盟が19日に発表。同連盟には、約60カ国の1300社が加盟しているが、日本の歌手では初の快挙だ。

 昨年6月に発売したデビュー20周年記念のベスト盤と同10月に発売したビデオクリップ集が、計約330万枚を売り上げた。2位はグラミー賞を10回受賞した米国の人気歌手テイラー・スウィフト(30)、3位は韓国の人気グループ「BTS」で、4位は、これまた米人気歌手レディー・ガガ(33)というから、立派なもの……と思いきや、こんな指摘もある。

「確かに凄いセールスですが、そもそも今は世界的にアルバムを買うという発想が薄れています。とりわけ若い世代は定額聞き放題のサブスク(リプション)で、好きな曲をダウンロードして聴いたり、ユーチューブなどの動画サイトで楽しむのが主流。やはりジャニーズはファンの結束が固いから、いまだにアルバムも売れるわけです」(音楽業界関係者)

 それにしたって、今どき330万枚はとてつもない数字だろうが、芸能ライターの山下真夏氏は「嵐なら、特に驚きませんね」とこう言う。

「嵐のファンクラブの会員数は300万人近いといわれています。熱狂的なファンが多い上、親子3代でファンがいたりと、幅広い世代から支持されている。今年末での活動休止を惜しむ声も根強くありますし、それぐらいは売れたって不思議じゃないですよ」

 そもそもジャニーズの“信者”たちは“布教活動”に熱心だ。

「今年1月にジャニーズからSixTONESとSnow Manという2グループが同時にCDデビューしましたが、ファンの子たちは5枚、6枚と買って、周囲に『聴いてみてよ』と配ったりするそうです。彼女たちにとっては“神聖”なものですから、転売なんてしない。そこまで熱狂的ではなくても、開封せずに取っておく“保存用”のために2枚ぐらいは買ったりします。新人でもそうですから、嵐となればケタも違う。世界一は素晴らしいと思いますが、数字自体は特に驚きませんね」(山下真夏氏)

 昨年11月にはメンバーの二宮和也(36)の結婚が発表され、メンバー同士の不仲説に加え、桜井翔(38)のスキャンダルも飛び出しているが、やはり嵐、恐るべし。