なにわ男子の魅力に迫る<1>藤原丈一郎、西畑大吾、大橋和也

2021年08月17日

ミュージックヴォイス

 関西ジャニーズJr.内の7人組グループ・なにわ男子が、11月12日にCDデビューすることが発表された。ジャニーズ事務所からのCDデビューは、2020年1月22日のSixTONESとSnow Man以来1年10カ月ぶりとなる。

 デビュー前にも関わらず、『第103回全国高等学校野球選手権大会』に向けた“高校野球応援し隊”に就任したり、夏の高校野球応援ソングを担当したりと、幅広い活躍を見せていたなにわ男子。デビューを機に、さらに勢いが増すことだろう。

 そこで本稿では、メンバーそれぞれの魅力を解剖していきたいと思う。まずは、藤原丈一郎、西畑大吾、大橋和也から。

藤原丈一郎

 メンバー最年長の藤原丈一郎は、わずか8歳でジャニーズ事務所に入所。そこからおよそ17年の下積みを経て、念願のCDデビューを掴み取った。

 デビュー発表後、「長かったな…」と噛み締めるように呟いた藤原。その言葉からは、これまでの計り知れない努力が垣間見える。長年ひたむきに夢を追い続けた彼だからこそ、見えた景色があったのだろう。

 「なにわ男子の“なにわ感”担当」を自称している彼は、グループのお笑い担当でもある。キレキレのツッコミが、グループの面白さを底上げしていると言って間違いない。

 藤原の魅力は、お笑いキャラでありながら、常に冷静に周囲を見ている視野の広さにあると思う。コテコテの関西弁で笑いを取りにいく時もあれば、メンバーの動きを見てサッと引く時もある。「自分が自分が!」と前に出るのではなく、「どうしたら周りがよく見えるのか?」と考えて行動しているような気がする。

 また、“野球好き”としての顔も持つ。2019年の『熱闘甲子園直前SP!号泣甲子園』でナレーションを担当したり、中居正広がMCを務める『中居正広のプロ野球魂2021~祝!開幕『ワクワクが抑えられない』SP~』に野球好き代表として出演したりと、その趣味を仕事にも繋げている。

 長い下積みを経たからこそ、見えるものが必ずある。藤原ならではの形で、新たなアイドル像を作り出して欲しい。

西畑大吾

 アイドル誌『Myojo』内の企画「恋人にしたいJr.」ランキングで、史上4人目となる3連覇を果たした西畑大吾。俳優としての活躍も著しく、なにわ男子のみならず関西ジャニーズJr.の名を広めてきた存在だ。

 彼が俳優として注目を集めるきっかけになったのが、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』への出演だ。同作で西畑は、ヒロイン・め以子(演・杏)の次男・活男を演じた。戦場に向かう前、家族で最後の食卓を囲んだ時に流した涙。ドラマ初出演にも関わらず、観ている者を引き込む名演技を見せていたのが印象深い。

 その後も、『あさが来た』で再び朝ドラに出演。同作では、宮崎あおい演じるはつの次男・養之助を演じた。朝ドラに2度出演するというのは、ジャニーズでは異例(元男闘呼組の高橋和也以来)のことである。

 高い演技力を持ち、俳優として高い評価を受けている西畑。その一方で、アイドルとしての煌めきも人一倍だ。彼がステージに立つと、そこにパッと花が咲いたような華やかさを感じさせる。

 親近感があるようで、どこか遠い――。どことなく掴めないからこそ、周囲が引き込まれてしまうのだろう。

大橋和也

 なにわ男子のリーダーを務めている大橋和也。ほんわかとした雰囲気で、先頭に立ってグループを引っ張っていくタイプではないものの、大事な時にはビシッと締めるリーダーだ。

 彼のリーダー力で印象深いのが、ジャニーズJr.のコンサート『ジャニーズJr.8.8祭~東京ドームから始まる~』でのエピソードだ。SixTONESとSnow ManのCDデビューがサプライズで発表された直後にステージに立たなければならなかったのが、なにわ男子だった。

 メンバーが悔しさを滲ませるなか、大橋が「次は俺らや、いけるいける」と士気を高めたらしい。そのことを他のメンバーが救われたエピソードとして語るなか、「俺!?」とすっかり忘れているのが、彼の魅力でもある。

 大橋は、YouTubeで「リーダーとは?」と聞かれた時に、「みんなの後ろを歩いて、道が逸れたりした時にパッと(修正)する」と話していたことがあった。彼は、まさにそれを体現しているように思う。

 そして、優れた歌唱力も魅力のひとつだ。彼の優しい歌声には、人の心を癒す力があると思う。人想いな性格が、パフォーマンスに表れているのかもしれない。

 その美しいハイトーンボイスも、実は努力の賜物である。『RIDE ON TIME』(フジテレビ)では、忙しい合間を縫ってボイストレーニングに励んでいるところが描かれていた。そんな風に、努力家なところも人気を集める理由のひとつだ。

 今回は、藤原丈一郎・西畑大吾・大橋和也をピックアップしてその魅力を読み解いた。次週は、高橋恭平・大西流星について分析していく。