2021年10月7日
Techinsight
世の中には完全菜食のヴィーガン生活を送る人が大勢いるが、アメリカでヴィーガンの女性が健康上の問題から魚を食べることを余儀なくされ、サーモンのソテーを泣きながら食べている動画をSNSに投稿したところ注目を集めた。『The Daily Star』『LADbible』などが伝えている。
アメリカ在住のラマー・チャイレスさん(Lamar Chairez)が先月13日、TikTokに投稿した動画が1700万回以上の再生回数を記録している。10月に入ってメディアが取り上げたことで、さらに話題になったようだ。動画には、ヴィーガン生活を送ってきたラマーさんが新鮮なサーモンの切り身を調理して食べる様子が捉えられている。
ラマーさんはヴィーガン生活を続けてきたが、最近になって体調が思わしくないため医師に食生活を見直して魚を食べるように言われたそうだ。動画ではこのように明かしている。
「ヴィーガンになって2年になります。でもアレルギーや過敏症などを発症し、医療上の理由から魚を食べなければならなくて本当に悲しいです。それで私が食べ続けられそうな天然のサーモンを手に入れたんだけど、もうこの一口目で精神的にかなり参っています。」
「私の身体は食べるに耐えられない物を食べようとするために、更なるダメージを受けている感じがします。でも、最善は尽くすけどね(笑)。食べてしまったわ。もう今の私って、これまでに最も情けない人間だわ。お魚さん、本当にごめんなさい。」
ラマーさんはサーモンの切り身のソテーをひとかけら箸でつまんで恐る恐る口へ運ぼうとするが、悲しみが大きかったのか顔をくしゃくしゃにして大粒の涙を流している。そしてようやく一口食べた後、サーモンに対して詫びているようだった。
ラマーさんの動画を見た人からは、「死んだ魚を見て泣くなんて大げさ」「もし動物の死を悲しんでいるなら、あなたが食べなくても誰かが食べることになるって理解してね」といった声が寄せられた。また一部のヴィーガンユーザーから魚を食べたことで非難の声があがったために現在、この投稿にはコメントができないようになっている。
ちなみにヨーロッパを拠点とするヴィーガン組織「The Vegan Society」によると、ヴィーガニズムの定義とは「食物、衣類、またはその他の目的のために動物に対する搾取、および残虐行為などのあらゆる形態を可能な限り排除しようとする哲学および生活様式」とのことだが、2年間ヴィーガニズムを貫いてきたラマーさんにとって、サーモンのソテーといえども胸が締め付けられる思いだったのだろう。
なお後日、ラマーさんは新たな動画でサーモンとエビを食べたことを明かし、涙を流すことなく食べて「なかなか美味しかった」と語っている。画像は『Lamar 2021年9月13日付TikTok「This is a total sh!T show.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)