「青の都」と友好交流へ 奈良とウズベキスタン・サマルカンド州

2021年2月28日

毎日新聞

 シルクロードでつながっていた奈良とウズベキスタンの交流を深めようと、奈良県は同国・サマルカンド州と友好交流を進めるため、2021年度に荒井正吾知事などで結成予定の訪問団を現地へ派遣する方針を決めた。互いにかつて都として栄えた「古都」であり、世界遺産に恵まれるなど、共通点が多いことから選んだ。当初予算案に関連経費約1200万円を計上した。【久保聡】

 県は、中国・陝西(せんせい)省▽韓国・忠清南道▽スイス・ベルン州――の3都市と友好提携を結んでいる。新たな国外の地方政府との関係を構築し、相互にとって有益な交流を進めるため、サマルカンド州へ訪問団を派遣する。将来、友好提携を締結したい考えだ。

 奈良はシルクロードの東の終着点。一方、サマルカンド州はシルクロードの要衝で、14~15世紀に栄えたティムール帝国の都。州都・サマルカンドに数多くみられる建築にはサマルカンド・ブルーと呼ばれる青色のタイルが使われていることから「青の都」とも称され、01年に世界遺産に登録された。政治経済、文化の中心だったレギスタン広場は観光でも注目を集めている。

 県は3月13日に県コンベンションセンター(奈良市)で、同国の文化交流イベントを開催。サマルカンド州について紹介する。県の担当者は「奈良とサマルカンド州とはつながりがあり、共通点もある。新型コロナウイルスの状況が懸念されるが、新たな交流を進めたい」と話す。