「下着の色は白」校則で指定、市立中の8割…「廊下でシャツ開け確認」「違反して脱がされた」

2020年12月23日

読売新聞オンライン

 学校現場の不合理なルール「ブラック校則」に関して、福岡県弁護士会は22日、福岡市立中学校全69校を調査した結果を発表した。

 下着の色を指定する学校が約8割に上った。弁護士会は「理不尽な校則が多く、人権侵害に当たるものもある」として校則の見直しを提言する方針。

 弁護士会は8月、市への情報公開請求で各校の校則に関する資料を入手し、調査した。その結果、「下着の色を白などに指定」57校、「性別によって、どの標準服(制服)を着るかを事実上決めている」50校、「側頭部を短く刈り上げるツーブロックなどの髪形を禁止」62校、「眉毛に手を加えることを規制」56校だった。

 また、生徒や保護者、教職員計十数人に不合理な校則や指導を受けた経験などを聞き取った。▽違反した下着を学校で脱がせる▽廊下で一列に並ばされ、シャツの胸を開けて下着をチェックされる▽体育館で男子がいるのに下着の色をチェックされる▽白い靴下に縦に折り目が入っていなければならない▽靴下の点検で右足合格、左足不合格と言われ、買い替えを指導された▽職員室の前は無言通行▽眉毛をそったら、集会などで眉を太く書かれる――といった訴えがあった。

 教職員から「靴下の長さを床から15センチに指定した校則の意味が分からない」との声も上がった。

 弁護士会は「教師による校則以上の過剰な制限や恣意しい的な指導も見られ、理不尽な現場の実態が明らかになった」としている。今後、校則見直しに関する提言をまとめ、来年2月に行われるシンポジウムで発表する予定だ。

 福岡市教育委員会は「社会の変化とともに価値観も多様化した。人権侵害に当たるような規定は見直すよう各校に指導している」としている。

◆生徒らが不合理と訴えたケース

 ▽男女一緒に体育館で下着をチェックされる

 ▽後ろ髪を耳より下で縛る理由について、教師に「男子がうなじを見て欲情するから」「政府がそう言っている」と言われた

 ▽眉をそると、休み時間にトイレ以外などで教室から出るのを禁じられ、集会で眉を太く書かれる

 ▽額の産毛をそることを禁じる校則はないのに1時間半も指導された

 ▽不登校の生徒が登校したのに、服装違反で学校に入れなかった

 ▽生徒総会で校則に関する議論を教師に止められ、意見すると「内申書に響くぞ」と言われた

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