ネットビジネスで月収180万円の女子高生。「お母さんを楽にさせたい」

2020年2月6日

HARBOR BUSINESS Online

 昨今、ネットビジネスを始める中高生が増えている。中には、大人が何年かかっても得られないような金額を瞬時に稼ぎ出してしまう驚くべきケースも登場。当サイトで紹介したキメラゴンさん(月収6桁の中学生ブロガー、「就職したくないから稼げるようになりたい」)も、その後月収1000万円を達成したという。

 そうした快進撃は今後、続出することが予想されるが、今回はネットビジネスを本格的に開始してからたった半年で約180万円を稼ぎ出した女子高生のぴよめっとさんを直撃。

これを機に、高1から勤めていたアルバイト先には辞めると伝えたが「シフトが残っているので、インタビューの後に出勤します」という彼女。その姿は普通の女子高生と変わらないように見えたがーー。

◆就職活動で見た求人の、給料の低さに愕然

 現在、高校三年生のぴよめっと(@piyometto)さんがネットビジネスに足を踏み入れたのは、実は1年前、高2の終わり頃だった。

「ちょうど進路について考え始めた頃でした。高校で斡旋された求人を見ると一ヶ月まるまる働いてお給料が12~13万円程度の案件ばかり。これには衝撃を受けました。今やっているアルバイトのほうがマシだ、と……。やはり高卒で女性だとこうなってしまうんだな、と痛感しました。何とかして自分で稼がなければいけないと思ったし、今はもう一つの企業で働き続ける時代ではない。そこで思い立ったのがネットビジネスでした」

 そこには、小学4年生の時に親が離婚して以来、ともに暮らす母親の影響もある。母親自身も、アフィリエイトブログをやっていたことがあるという。

「特に収益は出ていなかったようですが、趣味程度にやっているのを横目で見ていたので、断片的な知識は聞きかじってました。ただ、最初は怪しいという気持ちのほうが強かったし、実践するのは難しいとは思っていました。でも、どうせやるなら稼ぐことを目指し、ダメだったら普通に就職するつもりで始めました」

 高2までバスケ部の部長だったが、ネットビジネスをやると決めてからはきっぱりやめた。

 同級生らも同じくインターネットネイティブの世代だが、少なくとも学校の同性の友人にネットビジネスをしている人はいなかった。

「自分でサイト作ってるというだけで『すごいね』という扱い。収益についても、興味がないのか全然聞かれないですね」

 始めるにあたっては、インフルエンサーを片っ端から参考にした。

 「マナブさん(@manabubannai。セブ島在住のブロガー、ネットビジネス専門家。ツイッターのフォロワー20万人)がとても参考になりました。彼のブログとユーチューブをひたすら見て、真似できそうな部分は全て吸収しました」

◆JK(女子高生)ブランドを活用し、一気に売り上げる

 ぴよめっとさんが制作したブログや有料noteの完成度は高校生とは思えないほど構成がしっかりしており、理路整然としていて驚かされる。

 「最初は人間関係などを中心に書いていたのですが、雑記ブログよりも1ジャンルに特化したほうが良いと思って、IT系に統一しました。まとめ記事の執筆は最長で8時間くらいかけています。キーワードで調べて、グーグル検索結果の1ページ目はすべて目を通しました。その上で、そこにはない情報を引っ張ってきて付け足したりする。アフィリエイトリンクを挿入していないページは、大体2~3時間で書き終えます。最初は親の名義で登録していたのですが、本気で稼ぐなら自分名義でやりたいので、自分名義にできる18歳の誕生日まではPVを伸ばして温めておこうと考えて書いていました」

 努力の甲斐あってか、ブログのアクセスは半年で個人ブログとしては多い月間1万PVに(現在は4万PV)。

 だが、昨年半ばまではまだブログ記事は月2本程度がやっとで、アフィリエイトで数万円程度の収益に留まっていた。それでもたいしたものであるが、行動が加速したのは昨年の半ば頃、冒頭のキメラゴンさんとの対面がきっかけだった。

 「キメラゴン君のことをSNSで知って、すごいなと思っていました。そこで、ちょうどキメラゴン君のお母さんのイベントがあるのを知り、彼と話すチャンスをもらいました。まずはなんでも挑戦して、経験を積みたいと思っていたので。彼と話したのを機に、ブーストかかりました。3月には卒業するので、女子高生ブランドが有効なうちに出さなければと思い、年末に急いで有料noteの執筆に取り掛かりました」

  同時に、SNS(ツイッター)のフォロワーも着実に増やし、なんと1ヶ月で約9000フォロワーに。ブログのアクセスとフォロワー獲得ノウハウを書いた有料note「半年で月間1万PVを超えたJK流SEO対策法」は、読み通り「女子高生ブランド」が奏功したのと、インフルエンサーがツイートしてくれたこともあり、1月17日の発表からたった二週間で目標をはるかに上回る180万円を売り上げた。

◆成功の秘訣はエゴを捨て、模倣に徹し、アレンジを加えること

 1年間アルバイトをしても手に入らなかった大金を突然、手にした心境は?

「10~20万円売れれば上出来、と思っていたんですが……ぶっちゃけ、何に使おうか迷っている状態。まずはパソコンのローンを返済したい。ビジネスを拡大するための情報にも使っていきたいけど、それでも余っちゃう。とりあえず貯めておこうとは思っています」

 だが、ネットビジネスを始めて得た、本質的な成功の鍵は他にある。一つは、「いかに模倣できるか」。

「昔から模倣するのは得意で、真似しながら自分のものにするのが強み。フォロワーの多いインフルエンサーのプロフィールや、ブログ記事の構成には全て、法則性があるんです。私は、そのテンプレートに倣って上手くいっただけ。全部が自分のオリジナルの手法だったら、きっと出来なかったと思います。フォロワーのペルソナを想定し、それに対して話しかけるイメージで有益な情報を発信していく。ジャンルを絞って有益なツイートをしていると信頼性が上がって、『いいね!』やRTも増えていきます」

 二つ目は、「エゴを捨てること」だという。

「私は本来は目立ちたがり屋で、注目を浴びることに快感をおぼえるタイプ(笑)。でも、ブログを見に来てくれるユーザーは何らかの悩みを解決したくて来ています。だから、私のキャラクターをアピールすることは実は価値がない。一歩下がって、自分の気持ちや考えを聞いてほしいというエゴは全部捨てて、ユーザーに必要と思われる情報だけをギブするんです」

  大人顔負けの冷静な立ち回り方と自己プロデュース力である。

 ネットビジネスに注力し始めてからは、登校するのは週に2、3日程度となったが、学校には一応、納得してもらっている状態だ。

「学校としては就職してほしいので当初は反対されていたのですが、三者面談でも将来ネットビジネスをすると宣言して、今は休んでももう何も言われなくなりました。ネットで稼ぐのは怪しいというイメージがあるのは確かだし、先生たちの世代は特にそうだと思います。でも、先生もネットビジネス経験があるわけではないし、私の人生に責任を取ってくれるわけでもないので、何か言われてもあまり気になりませんでした」

 強く明確な意思を持って、見事学生のうちに成果を出したぴよめっとさん。同じく、ネットビジネスに挑戦したい中高生にアドバイスをするならば?

「中高生でやっている人がまだ非常に少ないので、参入障壁が低い分野だと思います。成功者が増えてくれば、その影響で安易に始めちゃう場合もあるかもしれないけど、遊び感覚でするのだけはよくない。特に将来、これで生計を立てたいなら結果を出すつもりで取り組んでほしいですね。結果が出なかったら経験を生かして就職すればいいし、とにかく学生のうちにやりつくすことが大事です」

◆友達と遊んだり、恋愛もしたい。そして母への恩返しも

 卒業後は進学・就職せず、引き続きネットビジネスを行なっていく予定で、「ユーチューブやブログコンサル、オンラインサロンなど収益の柱をほかにも作って、安定したら次はお金で解決できないことにも取り組みたいです」と抱負を語る。

  また一方で、「友達づきあいや恋愛などビジネス以外の生活も大事にしたい」と18歳らしい素顔も覗かせながら、“もう一つの目標”についてもこのように話す。

「母はまだ40代前半ですが、私を育てるために沢山働いてくれたことを知っているので、今後は楽をしてほしい。今でもたまに外食を奢ったりしていますが、卒業したら、本格的に母を養うつもりです」

「雇われたくない、女も自力で稼ぎたい」。

 ツイッターのプロフィールでも、そう標榜しているぴよめっとさん。女手一つで育ててくれ、ネットビジネスの道筋も作ってくれた母への恩返しをしたいという思いも、大きな支えになっている。

<取材・文/YongRa Ahn>

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