2020年11月8日
朝日新聞デジタル
コロナ禍の影響で、公立小中高校のおよそ15%が今年度の修学旅行の中止を決めたことがわかった。
朝日新聞が各地の教育委員会に聞いた。一方で、およそ66%の学校が実施を決定。このうち8割超は、行き先を県内や近隣県にしたり、移動手段を公共交通機関から貸し切りバスに変えたり、宿泊日数を減らしたりするなど、例年と異なる対応をしていた。全体の約19%は「検討中」などだった。
文部科学省によると、公立の小中高校・特別支援学校は全国に約3万3千校ある。朝日新聞は今月、都道府県、道府県庁所在市、政令指定市、東京23区の計121自治体に修学旅行の実施状況を尋ね、7日までに103自治体が、状況を把握している2万4077校について回答。このうち、約15%が中止を決めていた。ただ、中止した学校でも、校内での「キャンプ」や日帰りで地元の施設見学など、何らかの代替行事をする学校が多かった。「予定通り実施」という学校は、全体の約12%だった。
行き先などを変更した例では、「新幹線で東京に行く予定だった中学校が、Go To トラベルを利用し、飛行機で広島に行った」(東北地方の県)▽「4泊5日でシンガポールに行く予定だった市立高校が、大阪・京都1泊2日に変更した」(川崎市)▽「車で4時間以内で行けるおおむね300キロ圏内にし、新幹線・飛行機から貸し切りバスに変更した」(神戸市)といった回答があった。
実施状況には地域差もある。感染者が多い首都圏では中止した学校の割合が高く、東京では全中学校で中止した区が複数あった。ある区は「(8月に行く予定の学校もあったなか)7月末には都内の感染者がどんどん増加。校長会でも意見は割れたが、旅行先で罹患(りかん)するリスクや東京から来たと言われるリスクを考え、中止を決めた」と答えた。