草彅剛が最新主演映画「ミッドナイトスワン」で見せつけた“憑依型俳優”の新境地

2020年10月14日

日刊ゲンダイDIGITAL

「また演技の幅を広げた」と、もっぱらの評判だ。主演映画「ミッドナイトスワン」が全国公開中の、俳優の草磲剛(46)。

 草磲はこの作品の中で、身体と心の葛藤を抱えるトランスジェンダーの凪沙を演じている。映画サイトの作品レビューでも高得点をつけて感想を書き込む人が非常に多く、<草磲剛の代表作となることは間違いない>というのが大方の意見だ。

 芸能ライターのエリザベス松本氏は「ミッドナイトスワン」について「母性、人と人との繋がり、葛藤、そして生きていく苦しみや痛みが真正面から描かれた作品。重い内容でもあるため、正直、コロナ禍のいま公開することに賛否両論はあるかもしれません」と前置きして、こう続ける。

「鑑賞中は、つらくて目をそむけたくなる気持ちに何度か襲われました。それでもスクリーンから目が離せなかったのは、やはり草磲さんが繊細かつ自然に凪沙になりきっていたから。とくにバレエの先生から誤って『お母さん』と呼びかけられるシーンで見せた、照れたようなほほ笑みが素晴らしかった。『いまこの瞬間に凪沙の中に母性が強く芽生えたのだ』とはっきりと分かる見事な演技でした」

 草磲はSMAP時代から積極的にドラマに出演し、「いいひと。」「僕の歩く道」「僕の生きる道」「僕と彼女と彼女に生きる道」「任侠ヘルパー」(いずれもフジテレビ系)や「冬のサクラ」(TBS系)など、主演作品にはヒットが多い。

 2021年放送予定の吉沢亮(26)主演の大河ドラマ「青天を衝け」にも徳川慶喜役で出演することが決まっており、出演するに当たって「慶喜役は、僕の人生にとっても大きな役になると思います。全力をもって挑みたいと思っています」とコメントを発表している。大河に出演することで、演技派俳優・草磲剛の印象をより強烈に視聴者に印象づけることになりそうだ。

 一方、キー局関係者からはこんな声も聞こえてくる。

「先日木村拓哉さんが、自身がパーソナリティーを務めるTOKYO FMの番組内で『共演NGはいない』と明言。ファンはとザワついています。以前のジャニーズ事務所なら絶対NGでしょうが、“帝国”はいま大きく方針転換をしている最中ですから。すぐには無理でも、何年後かにはひょっとして……」

「憑依型俳優」と呼ばれる草磲に、キムタクがどんな風に挑むのか。ファンでなくとも<見たい!>と熱望する視聴者は多いはずで、高視聴率が期待できる。いつか実現する日がくればいいが……。